R-30断熱材の厚さは? グラスウールなら約24cm、素材次第で半分以下に
短い答え
R-30断熱材の厚さは、標準的なグラスウールバット(米国で標準のマット状グラスウール)でおよそ2325cm(910インチ)です - 計算は30 ÷ 1インチあたりR-3.2 ≈ 9.4インチ(約24cm)。密度の高い素材ならもっと薄くR-30に届きます。セルロースファイバーは約22cm(8.6インチ)、ロックウールは約19cm(7.5インチ)、クローズドセル(独立気泡)の吹付ウレタンならわずか約12cm(4.6インチ)です。
このルールはどの素材・どの目標値にも使えます。厚さ = 目標R値 ÷ 素材の1インチ(2.54cm)あたりR値。R値は熱の流れへの抵抗を表し、厚さに比例して増えるので、この割り算だけで計算は終わりです。
なお、日本のカタログは断熱性能を熱抵抗値(m²·K/W)のSI単位で表記しますが、本記事のR値は米国表記です。R-30はSI換算でおよそ5.3 m²·K/Wに相当します。
素材別のR-30必要厚さ
計画用の公称値です(下の計算機が使うのと同じ1インチあたりR値。製品は密度によって変わるため、必ずメーカーの仕様書で確認してください)。
| 素材 | 1インチあたりR値 | R-30に必要な厚さ |
|---|---|---|
| 吹込みグラスウール | R-2.5 | 30cm (12インチ) |
| グラスウールバット | R-3.2 | 24cm (9.4インチ) |
| セルロースファイバー | R-3.5 | 22cm (8.6インチ) |
| 吹付ウレタン(オープンセル) | R-3.6 | 21cm (8.3インチ) |
| ロックウール | R-4.0 | 19cm (7.5インチ) |
| EPS(ビーズ法ポリスチレン)ボード | R-4.0 | 19cm (7.5インチ) |
| XPS(押出法ポリスチレン)ボード | R-5.0 | 15cm (6.0インチ) |
| ポリイソシアヌレートボード | R-6.0 | 13cm (5.0インチ) |
| 吹付ウレタン(クローズドセル) | R-6.5 | 12cm (4.6インチ) |
この表から分かることは二つ。吹込みグラスウールはR-30までの道のりが最もかさばり(深さ30cm)、クローズドセル吹付ウレタンは約12cmで届きます - スペースが限られる場所でよく使われる理由です。
計算例 - 2×10根太の間にR-30を入れる
枠組壁工法(ツーバイフォー)でよく使う2×10材の実際のせいは23.5cm(9.25インチ)です。この空間を隙間なく満たし、深さ(インチ)×1インチあたりR値を掛けます。
- グラスウールバット: 9.25 × 3.2 = R-29.6 - R-30にわずかに届きません。
- セルロースファイバー: 9.25 × 3.5 = R-32.4 - クリアします。
- ロックウール: 9.25 × 4.0 = R-37.0 - 余裕でクリアします。
そして層は足し算できます - 二つの素材を重ねれば、R値は単純に合計されます。既存の15cm(6インチ)のR-19バットの上に5cm(2インチ)のポリイソボード(2 × 6.0 = R-12)を重ねると、19 + 12 = R-31。バットに手を付けずにR-30を超えます。
👉 R値計算機なら一瞬です - 素材を選んで厚さを入力すると、構成全体のR値を計算し、お住まいの気候区分での屋根裏・壁・床の推奨R値と比較して表示します。(入力はインチ単位なので、cmは2.54で割って入れてください。例:24cm ÷ 2.54 ≈ 9.4インチ。)
そもそもR-30が正しい目標か?
R-30は万能な目標ではありません - 推奨値は部位と気候区分で変わります(米国Energy Star / IECC基準、区分1が温暖~区分7が寒冷)。
| 部位 | R-30が推奨目標になる場合 |
|---|---|
| 屋根裏 | 区分1のみ - 区分2 |
| 床 | 区分5 |
| 壁 | なし - 壁の目標はR-13~R-21で、そもそも間柱間の空間に約24cm(9.4インチ)のバットは入りません |
つまり米国の大半の地域で屋根裏を断熱するなら、R-30はゴールではなくスタート地点です - 国土の寒い側の3分の2ではR-49R-60が求められ、吹込みグラスウールなら深さおよそ5161cm(2024インチ)になります。なお日本の省エネ基準は独自の地域区分(18地域)と熱抵抗値で定めているので、国内の工事ではそちらを確認してください。
注意点
- 圧縮はR値を損ないます。 厚さ24cm(9.4インチ)のR-30バットを18.4cm(7.25インチ、2×8材)の空間に押し込んでもR-30にはなりません - 断熱しているのは閉じ込められた空気で、圧縮すればそれが押し出されます。バットは空間の深さに合わせて選んでください。
- 1インチあたりR値は公称値です。 メーカーごとに密度が違うため、市販のR-30バットの厚さは23~25cmの範囲のどこかになります - 正確な厚さは袋や仕様書に記載されています。
- 吹込み断熱材は沈みます。 施工では、沈下後に規定の深さになるよう目標より深く吹き込みます - 吹き立ての高さではなく、袋に記載の施工チャートに従ってください。
- 気密はR値と同じくらい重要です。 隙間や熱の抜け道は、厚さに関係なく熱を逃がします - まず気密、それから断熱です。また基準の最低値は地域によって異なるので、適用される省エネ・建築基準を確認してください。
関連
- R値計算機 - 素材と厚さから構成のR値を計算し、気候区分の推奨R値と照合。
- 壁ツール - 壁関連ツール一式。
- 気候区分別の屋根裏推奨R値 - R-30の比較対象になる、区分ごとの目標値。
- 屋根勾配の読み方と、最低どれくらい必要か - 同じやり方で解く、もう一つの施工数値。